「Research Notes」カテゴリーアーカイブ

橋本(2007)

橋本 亜沙美(2007)「第二言語習得における語彙習得の研究」東京女子大学言語文化研究 16, 18-32, 2007-00-00

久々のリサーチノートです。

母語話者とのインターアクションや人間関係のようなことを含めた学習環境が、語彙習得の面においてどのような影響を与えるのかについてかかれていました。
僕の卒業論文のテーマと関わりがあるのは「語彙習得」っていう部分だけなので、どういうふうに論文を組み立てればよいのかの参考になればいいなーと思って、さらりと読んでみたのですが、今回は「うーん…」と悩み苦しむこと無く読めてよかったです。

韓国人の日本語学習者が、連想語数の実験で、「コーラ」→「こうだくみ」(CMに出てた)みたいにつなげているのをみて、面白いなーと思いました。
連想地図については、意味論的な関連だったり、統語論的な関連の連想もあるので、今までに入り口にしか踏み込んだことの無い分野の知識もある程度入れておくと、もっとこのへんの分野の論文も読みたくなるのかもしれないです。
文化に関する知識の習得って、たしかにその言語が実際に使われている環境にいってみて、言語接触の機会が増えて、言語接触の種類に幅がついてはじめてたくさん身に付くものでしょうね。
僕が、短期研修とかで、カナダやフィリピンにいったときに、「あー、こんな単語を日常的に使うんだー」とか、「日本で英語勉強してるときには知らなかったけど、こっちでは当たり前に使ってる言葉がある…」とかいろいろ思いました。

教科書には出てこないけど、日常でよく使う言葉とかと接触する機会が増えるから、現地に行くと、いわゆる「ぺらぺら」みたいになるのかなー。

鬼田(2010)

鬼田崇作(2010)「第二言語読解を通した付随的語彙習得研究の概観と展望」広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 Vol.59 page.203-210 (20101224)

初めてのリサーチノートです。
もう既に8月の暮れ時なんですが、未だに卒業研究のためのリサーチノート的なものを書いたことがなかったので、せっかくなので、The Kechのコンテンツとしてやることにしました。

もちろんインターネット上に公開するということは、不特定多数の人たちに読まれる可能性があるわけなので、出典の記述や引用の仕方などについては細心の注意を払うつもりです。
とはいえ、問題のある書き方があった場合には、ご指摘頂けると幸いです。

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今回は「付随的語彙習得」に焦点をおいてみて、これを読んでみました。
現在所属しているゼミの教授にもいろいろ指摘されたりアドバイスを頂いてはいることではあるのですが、
“incidental”とか”intentional”の定義については、研究者によって言っていることが微妙に(あるいはかなり)異なっていることがあるようですね。
一応、代表的な定義としては、「意図的な習得と対立した概念」、いわばwithout intention っていうのがあるようですね。
研究者のなかには、今のように、
「意図的習得」⇔「付随的習得」
というような二分法みたいに考えるようなことはしないって人もいるらしい。

ってことは、僕が「付随的語彙習得」を卒論でちょこっと取りあげるときとかは、どういう定義にするかも考えないといけないのかな。
…まぁ、多分使わないとは思うんだけど、考えておかないといけないことかもしれませんね。

僕が卒業論文の中で書こうと思っていることは、ザックリ言えば、語彙習得なんですけど、
(まだ詳しいことは書けませんが、)研究の中でやりたいことはあるんですけども、それのためによりかかりたい理論が見つかっていないっていうかんじです。

そういう意味では、この論文の「4. 今後の方向性」で、取りあげられているLaufer and Hulstijn(2001)が提唱している”involvement Load 仮説”っていうのを少し知ってみたいなぁと思いました。

今は、よりどころになる理論を探すことが目的なので、いろんな論文に目を通してみたいですね。

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……しかし、これはリサーチノートといえるのか?w
小学生の読書感想文よりも中身に触れていないような気がするんですけど;^^
この論文の中で割と重要そうだった「語彙の処理の質と量」については何一つとして触れていないっていうのも、今気付いた…。

ま、まぁ読んだことを自分が確認できるような「記録ノート」的なノリなので、とりあえず今はこれでOKってことにしておきます;^^

だんだん精度が上がっていくことを願うわー。